インナーケア・腸活のススメ(1)まずは「腸」から始めよ

インナーケア・腸活のススメ(1)まずは「腸」から始めよ

こんにちは、医師の西嶌暁生です。

人生100年時代と呼ばれる社会の中で、「笑顔で自分らしく、活き活きと自立して生きる」ために不可欠な「健康」。時間・労力・コストをかけることなく、在宅でも手軽に始められる「健康・美容増進のコツ」を毎週金曜日にお伝えします。

近年、インナーケアという言葉をよく耳にするようになってきました。

インナーケアとは、食事、運動、睡眠の質を向上させて体が本来持っている力を引き出し、内側から健やかな状態に整える美容法のことを差します。

インナーケアを日々継続的に実践することは、美容はもちろん健康維持にも有効なのは間違いありません。では、どのようにインナーケアを日常生活に取り入れていけばよいのでしょうか。

今回は、「まずは「腸」から始めよ」と題してインナーケアに必要な「腸活」についてお伝えいたします。

まずは「腸」から始めよ

私が「インナーケア」をおすすめすると「どんなサプリを飲んだらいいのか」「食事に何を足したらいいのか」といった質問をよく受けます。

ですが、まず「現状に〝プラス〞しなければならない」という思い込みは捨ててほしいのです。

特に男性のインナーケアは「腸活」と「栄養」の2本柱で考えるべきです。

さらにいえば、そのうち最初に手をつけるべきは、なんといっても「腸活」。

しっかり調子の整った〝元気な腸〞であることが大前提

そのためには、しっかり調子の整った〝元気な腸〞であることが大前提です。

どんなによい栄養素を摂取しても、腸内環境が乱れていては効率よく消化吸収することができず、意味がないからです。

腸の環境は、年齢を重ねるごとに悪化していきます

もともと腸の環境は、年齢を重ねるごとに悪化していく特徴があります。

たとえば善玉菌のビフィズス菌ひとつとっても、20代なら腸内の22〜25%を占めていたのが、50代では5〜8%に!

一方で、悪玉菌は増加し続けます。

〝女性は溜まり、男性は下す〞

腸には性別ごとにはっきり特徴があり〝女性は溜まり、男性は下す〞のが定説。

つまり、女性は便秘、男性は下痢に悩む人が多いということです。これらは「過敏性腸症候群」という症状で、腹痛やおなかの張りを伴い、便秘と下痢の両方が表れる人もいます。

便秘は〝お通じ〞が3日以上ない状態を指しますが、古くは戦国時代、豊臣秀吉の正室である北政所(きたのまんどころ・ねね)も便秘に悩まされたひとり。

秀吉が戦場から送った書簡には、下剤のすすめや便が出ることを祈る記述もあります。

一方で秀吉のライバルだった徳川家康は、三方ケ原の戦いで大敗して浜松城へ敗走する道中、ストレスのあまり下痢を起こして便をもらした、という話が残っています。

徳川家康

今も昔も、便秘や下痢に悩まされる人は決して少なくないのですね。

過敏性腸症候群の原因は完全にはわかっていませんが、一般的にはストレスの影響が大きいと考えられています。

ストレスを感じるとストレスホルモンが分泌され、それが腸の働きを阻害して腹痛につながります。

しかも便秘や下痢を繰り返すうちに、腸が刺激に対して過敏に反応するようになっていき、すると、さらに腸の症状が悪化する悪循環に陥ってしまうのです。

腸内環境を改善する取り組みが重要です!

腸がこのような状態では、いくら栄養を摂ったところで十分に活用することはできませんよね。ですから、腸内環境を改善する取り組みが重要なのです。

便秘や下痢の腸を調べると、腸内細菌のバランスが悪く、悪玉菌が優勢となっています。そこで、乳製品や食物繊維を意識的に摂り、ストレスを取り除くなどして善玉菌を増やす「腸活」
が有効です。

まずは「腸活」、それが軌道にのったら必要な「栄養」をしっかり摂る!

この順序でいきましょう。

次回は、腸を元気にする善玉菌についてお伝えします。

投稿者プロフィール

西嶌 暁生
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医。株式会社ZAI 代表取締役社長

2013年より筑波大学の形成外科で、創傷治癒、外傷、再建、美容外科及び美容皮膚科を専門とする臨床医として従事。その後、「恵比寿形成外科・美容クリニック」の副院長を経て、2023年7月に「恵比寿こもれびクリニック」を開院。肌細胞の再生をキーワードに、美と健康のパーソナルドクターとしてオーダーメイド医療を提供している。

【資格】:医師、医学博士、形成外科専門医、認定産業医、MBA、JDLA認定E資格
【専門】:形成外科、美容外科、きず跡修正、医療レーザー(シミ、シワ、たるみ)、目周りの手術、フェイスリフト、脂肪吸引、メンズ美容、医療AI

《著書》
だから夫は35歳で嫌われる メンズスキンケアのススメ 光文社
「無駄なケアをやめる」から始める美肌スキンケアの新常識大全 宝島社

《メディア》
夕刊フジ「50歳からでも遅くはない 誰でもできる男のアンチエイジング術」毎週月曜日に連載中
オレンジページ、美的、女性セブン、CanCam等
フジテレビ「ポップUP!」出演
bayfm「MOTIVE!」出演

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