美容も健康も、まずは“予防”が大切(6)結局、美容は〝先取り〞がすべて
こんにちは、医師の西嶌暁生です。
人生100年時代と呼ばれる社会の中で、「笑顔で自分らしく、活き活きと自立して生きる」ために不可欠な「健康」。時間・労力・コストをかけることなく、在宅でも手軽に始められる「健康・美容増進のコツ」を毎週金曜日にお伝えします。
私が診察をしていて歯がゆく感じるのは「もっと早く来てくれればなあ」と内心で残念に思ってしまう患者さんが多いことです。
本日は、美容・健康における美容は〝先取り〞の大切さについてお伝えします。
クリニックは一か八かの〝駆け込み寺〞ではない
「〝逆算式美容〞で結果を出す」で解説したように、美容のエンドポイントは最短でも「半年後」においてほしいのです。これまで説明してきたインナーケアにせよ、今日からヨーグルトを食べ始めていきなり明日、ツルツルピカピカの肌になるなどということはありえません。
細胞は数カ月かけてゆっくりと、しかし着実に変わっていくものです。
それは、クリニックケアも同じこと。その人に合った方法で最大限の効果を引き出すためには、数十日〜半年程度はかかります。
ですから「来週、本命企業の最終面接だから、どうしてもその前に顔のニキビをきれいに治したいんです!」と駆け込んでこられても、正直、難しいといわざるをえません。
ワラにもすがる思いで来院される患者さんに対して、もちろん私もできるだけのケアをしますが、エンドポイントがすぐ先となると、どうしてもディフェンシブな治療になってしまいます。好転反応や不測の事態を考慮すると〝攻めの美容〞は選択できないからです。
もしニキビ肌で悩んでいるなら、エンドポイントから逆算して最低でも半年、できれば1年半前には来ていただきたいのが本音です。
それだけの猶予があれば、治療の選択肢ははるかに広がり、より望ましい結果につなげることができるでしょう。
クリニックは一か八かの〝駆け込み寺〞ではない。そこを理解していただきたいと思います。
35歳を過ぎたら毎日、鏡で顔を見る習慣を
また、ヒトの体は、年齢とともに傷の治りが悪くなっていきます。50〜60歳で皮膚を削ると、その痕が色素沈着を起こすなど、回復に時間がかかってしまうことも。
できれば35歳くらいまでに治療できれば、体の負担もより軽く、傷の治りもより早いですし、そもそもの症状自体が、年齢とともに悪化していくことは十分にありえます。
何度も言うように、まずは〝予防〞。それでも症状が出てしまったら、ごく初期のうちにクリニックケアを受ける。これが最速にして最大限の効果を見込める鉄則なのです。
そのためにも、35歳を過ぎたら毎日、鏡で顔を見る習慣をつけましょう。
隠れジミ(やがてシミとなって表れる、皮膚の奥にひそむメラニン)などは鏡でじっくり皮膚を観察していないと、なかなか気づかないものです。
投稿者プロフィール
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医学博士、形成外科専門医。株式会社ZAI 代表取締役社長
2013年より筑波大学の形成外科で、創傷治癒、外傷、再建、美容外科及び美容皮膚科を専門とする臨床医として従事。その後、「恵比寿形成外科・美容クリニック」の副院長を経て、2023年7月に「恵比寿こもれびクリニック」を開院。肌細胞の再生をキーワードに、美と健康のパーソナルドクターとしてオーダーメイド医療を提供している。
【資格】:医師、医学博士、形成外科専門医、認定産業医、MBA、JDLA認定E資格
【専門】:形成外科、美容外科、きず跡修正、医療レーザー(シミ、シワ、たるみ)、目周りの手術、フェイスリフト、脂肪吸引、メンズ美容、医療AI
《著書》
だから夫は35歳で嫌われる メンズスキンケアのススメ 光文社
「無駄なケアをやめる」から始める美肌スキンケアの新常識大全 宝島社
《メディア》
夕刊フジ「50歳からでも遅くはない 誰でもできる男のアンチエイジング術」毎週月曜日に連載中
オレンジページ、美的、女性セブン、CanCam等
フジテレビ「ポップUP!」出演
bayfm「MOTIVE!」出演