美容も健康も、まずは“予防”が大切(1)ホームケアとクリニックケアの分かれ目

ホームケアでお肌の手入れ

こんにちは、医師の西嶌暁生です。

人生100年時代と呼ばれる社会の中で、「笑顔で自分らしく、活き活きと自立して生きる」ために不可欠な「健康」。時間・労力・コストをかけることなく、在宅でも手軽に始められる「健康・美容増進のコツ」を毎週金曜日にお伝えします。

美容も健康も、まずは“予防”が大切です。

気になる症状が出ていないうちはホームケアを。しかし顕在化してしまった症状や悩みには、医療の力を借り手一度すっきり解消させてうえで再び予防していく、といった手段が合理体だと言えます。

ホームケアとクリニックケアの分かれ目

突然ですが、清掃業界には〝予防清掃〞という考え方があります。

汚れたところを掃除する繰り返しではなく、なぜ掃除が必要なのか、汚れの原因はなんなのかを分析し、汚れないような仕組みをつくる考えのこと。

いざ汚れてから掃除する時間や労力を思えば、あらかじめ汚れないように工夫することのほうが、長い目で見て理にかなっているといえるでしょう。

美容や健康も同じ。まずは大事に至らないための〝予防〞が重要です。

今現在は具体的な悩みがない人でもあらかじめ実践することで、将来にわたって外見の老化を遅らせたり、病気を予防できたりするものです。

シミも皮膚の表面にくっきり浮き出てしまってから消そうとするよりは、日常生活でシミのもとを防ぐほうが、あとあとラクなのです。

より積極的なケアにステップアップするタイミング

目の下のたるみが気になる

しかし、なかにはそうも言っていられない状況もありますよね。

すでになんらかの症状、悩みが顕在化してしまった場合です。

「頬にシミが浮いてきた」「目の下がたるんできた」といった具体的な悩みが出てきたら、より積極的なケアにステップアップするタイミングととらえましょう。

その際、選択肢に入れてほしいのがクリニックでの専門治療です。「通うのが面倒」「お金がたくさんかかりそう」といった理由でホームケアにこだわるのは、結果的にズルズルと時間と
お金を浪費したあげく効果が見込めない……という残念な結果になってしまうことも。

たとえば老人性のシミやイボ、目の下のたるみは、ホームケアで解消させるのは至難のワザです。

市販の高級クリームやサプリメントを使っても、シミとして皮膚に定着したメラニンを除去することはできません。

それよりも思いきってクリニックで治療を受ければ、短期間でしっかりと効果を出せる可能性があります。

老人性のイボを例に挙げれば、私のクリニックでは炭酸ガスレーザーという治療を行います。

イボの深さや範囲にもよりますが、2週間程度のダウンタイム(かさぶたなど)を伴いつつ、たいていの場合は1回の施術で効果を実感できます。

値段設定については各クリニックによって異なりますが、当院では1㎜2千750円から。もちろん、予算や治療計画については患者さんの希望もふまえ、適宜相談しながら決めていきます。

「ホームケアで本当に治るのだろうか」「これは効果が出ているのかな?」といったモヤモヤをひとりで抱えながら日々を過ごすよりは、よほど明快ではないでしょうか。

そして、治療の成果が出てから再び〝予防〞をしていく。そういう選択肢もあることを知っていただきたいと思います。

時間も予算も無尽蔵にある人などいませんから、どこにお金をかけるのか、どのくらいの手間や時間をかけるのか、しっかりと見極めていきましょう。

投稿者プロフィール

西嶌 暁生
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医。株式会社ZAI 代表取締役社長

2013年より筑波大学の形成外科で、創傷治癒、外傷、再建、美容外科及び美容皮膚科を専門とする臨床医として従事。その後、「恵比寿形成外科・美容クリニック」の副院長を経て、2023年7月に「恵比寿こもれびクリニック」を開院。肌細胞の再生をキーワードに、美と健康のパーソナルドクターとしてオーダーメイド医療を提供している。

【資格】:医師、医学博士、形成外科専門医、認定産業医、MBA、JDLA認定E資格
【専門】:形成外科、美容外科、きず跡修正、医療レーザー(シミ、シワ、たるみ)、目周りの手術、フェイスリフト、脂肪吸引、メンズ美容、医療AI

《著書》
だから夫は35歳で嫌われる メンズスキンケアのススメ 光文社
「無駄なケアをやめる」から始める美肌スキンケアの新常識大全 宝島社

《メディア》
夕刊フジ「50歳からでも遅くはない 誰でもできる男のアンチエイジング術」毎週月曜日に連載中
オレンジページ、美的、女性セブン、CanCam等
フジテレビ「ポップUP!」出演
bayfm「MOTIVE!」出演

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