美容も健康も、まずは“予防”が大切(4)美容は目先ではなく全体を見通すべし

美容は目先ではなく全体を見通すべし

こんにちは、医師の西嶌暁生です。

人生100年時代と呼ばれる社会の中で、「笑顔で自分らしく、活き活きと自立して生きる」ために不可欠な「健康」。時間・労力・コストをかけることなく、在宅でも手軽に始められる「健康・美容増進のコツ」を毎週金曜日にお伝えします。

今回は、「美容は目先ではなく全体を見通すべし」と題して美容にかかるコストへの考え方についてお伝えします。

クリニックでのケアは、費用が高い?

クリニックでのケアをおすすめすると、真っ先に抱かれるイメージは「費用が高いのでは?」というものです。そんなとき私は「美容はトータルコストで考えてください」とお話しします。

安く、その代わり効果の薄いホームケアをダラダラと続けるよりも、料金だけ見れば決して安いとはいえない、けれど確実に効果を見込める医学的措置のほうが、総合的に見て〝安い〞といえるからです。

自分でケア用品を購入し、コツコツと時間と労力をかけてホームケアを1年間続けたが、期待した効果は何も得られなかった。

クリニックで数回治療を受け、悩んでいた箇所が半年間で気にならないレベルにまでなった。この場合、後者は前者に比べて〝高い〞でしょうか?

結果だけでなく、途中経過を見ても、とてもそうはいえないと思うのです。

私は決して、ホームケアを否定しているわけではありません。

それどころか、老化や病気の予防のためには日常生活でのちょっとした意識が欠かせないということを、このコラムを通してお伝えしてきたつもりです。

ですが「ホームケアとクリニックケアの分かれ目」でもお話ししたように、予防や未病(まだ病気としては表れていないものの、軽い症状がある状態)には対応できるとして、すでに今起こってしまっているトラブルを解消するには、医療に頼ったほうがよほど早いのです。

具体的なクリニックケアのメリット

具体的なクリニックケアのメリット

と聞いて「プロに頼ったほうがいいのはわかった。でも、それならエステだってプロだし、クリニックより安くすむのでは?」と思われたかもしれません。

しかし、エステサロンではなく、医療クリニックでの治療を受けることを強くおすすめします。それはなぜか?を「脱毛」を例に挙げ、具体的なクリニックケアのメリットについて解説していきましょう。

そもそも永久脱毛は医療行為で、本来は医師免許をもつ管理者しか行うことができません。

厚労省やFDA(アメリカ食品医薬品局)で認可された、安全が確立された医療機器は医療機関のみで使用することができ、エステサロンでは使えないのです。

レーザー脱毛は細胞の吸光度を利用して毛と毛母細胞を焼くため、皮膚にヤケドを負わせず、かつ効率的に毛量を減らせるよう、難しい調整が必須です。

そのため医師が診断し、ひとりひとりの肌の状態に合わせてレーザーの種類や出力を設定する必要があります。

〝アフターケア〞がしっかりしているかどうか

脱毛に関するトラブルで多いのは、ヤケドや色素沈着です。施術中やその後にトラブルが起きた場合、エステサロンでは医療行為を行えないため、的確な措置が迅速になされる保証はありません。

もしトラブルに発展したら、施術したエステサロンから医療機関を紹介してもらうか、もしくは厳しい言い方になりますが、泣き寝入りするしかないのです。

体に侵襲的なアプローチをするわけですから〝アフターケア〞がしっかりしているかどうかは重要です。

エステサロンのほうが1回あたりの金額は安く設定されていることが多いものの、エステレーザーの出力は医療レーザーに比べて弱いため、長期にわたって何度も通わなければならず、最終的にかかった料金の総額はそこまで安くなかった、という話もよく聞きます。

なかには、効果を感じるまでに20回もの施術が必要だったというケースも。お金だけでなく、その回数分だけ行き帰りの時間や労力も費やされているわけですよね。

忙しい男性には〝少ない施術回数で確実な効果〞を

時間や手間、トータルコストを考えれば、忙しい男性には〝少ない施術回数で確実な効果〞を見込める医療クリニックのほうが、理にかなっているのではないでしょうか。

投稿者プロフィール

西嶌 暁生
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医。株式会社ZAI 代表取締役社長

2013年より筑波大学の形成外科で、創傷治癒、外傷、再建、美容外科及び美容皮膚科を専門とする臨床医として従事。その後、「恵比寿形成外科・美容クリニック」の副院長を経て、2023年7月に「恵比寿こもれびクリニック」を開院。肌細胞の再生をキーワードに、美と健康のパーソナルドクターとしてオーダーメイド医療を提供している。

【資格】:医師、医学博士、形成外科専門医、認定産業医、MBA、JDLA認定E資格
【専門】:形成外科、美容外科、きず跡修正、医療レーザー(シミ、シワ、たるみ)、目周りの手術、フェイスリフト、脂肪吸引、メンズ美容、医療AI

《著書》
だから夫は35歳で嫌われる メンズスキンケアのススメ 光文社
「無駄なケアをやめる」から始める美肌スキンケアの新常識大全 宝島社

《メディア》
夕刊フジ「50歳からでも遅くはない 誰でもできる男のアンチエイジング術」毎週月曜日に連載中
オレンジページ、美的、女性セブン、CanCam等
フジテレビ「ポップUP!」出演
bayfm「MOTIVE!」出演

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です