インナーケア・腸活のススメ(6)プレバイオティクスで理想の腸内環境へ近づける

こんにちは、医師の西嶌暁生です。

人生100年時代と呼ばれる社会の中で、「笑顔で自分らしく、活き活きと自立して生きる」ために不可欠な「健康」。時間・労力・コストをかけることなく、在宅でも手軽に始められる「健康・美容増進のコツ」を毎週金曜日にお伝えします。

本日は、インナーケアに必要な「腸活」の第6回として、腸内環境を整える善玉菌の〝育菌〞に必要なプロバイオティクスについてお伝えしたいと思います。

2〜3カ月で腸内環境を整える

不要な毒素を排出し、しっかり代謝できるようになったら、次は腸内環境を整えて理想に近づけるフェイズに入ります。

以前お伝えしたように理想の腸内環境とは、腸内細菌のバランスが「善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1」であること。

腸内細菌のバランスが「善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1」であること

善玉菌をいかに育てるかの〝育菌〞がポイントになります。

育菌には「シンバイオティクス」が必要です。

これは「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」が合わさったものの総称で、どちらが欠けても理想の腸内環境をつくることはできません。

次から詳しく解説しますが、このふたつをしっかり摂ることを2〜3カ月は続けてください。そうすれば、腸内環境はかなり改善されるはずです。

プロバイオティクスで有益な腸内細菌を育てる

プロバイオティクスとは、生きたまま腸に届いて体によい影響を与える微生物や、その微生物を含む食品を指します。

特に重要なものとして挙げられるのが「酪酸菌」「乳酸菌」「ビフィズス菌」の3つ。

これらが腸内での悪玉菌の発育を抑制し、善玉菌の住みやすい環境に整えてくれます

〈プロバイオティクス食品〉

酪酸菌を多く含む食品……ぬか漬け
乳酸菌を多く含む食品……乳酸菌飲料、チーズ、納豆、キムチ、みそ、しょうゆなど
ビフィズス菌を多く含む食品……ヨーグルト
※乳酸菌とビフィズス菌は、同時に摂取することで相乗効果が見込める

酪酸菌は健康で長寿な人の腸に多いという研究結果から、別名〝長寿菌〞とも呼ばれています。

また、ビフィズス菌はそれを含む発酵乳を飲むと肌の角質層の水分量が保たれ、乾燥が抑えられるという報告もありますから、それぞれ2〜3カ月を過ぎても、日常的に摂取する習慣をつけておくとよいですね。

プレバイオティクスで理想の腸内環境へ近づける

そして、プロバイオティクスの活動を促すのが、プレバイオティクス。腸内の善玉菌に働きかけ、増殖を促したり活性を高めたりする、人体に有益な物質をまとめてこう呼びます。

プロバイオティクスをサポートするだけでなく、ミネラルの吸収を促進したり、腸の炎症がもとで起こる病気の予防や改善にも効果があるとされています。

具体的には、オリゴ糖や食物繊維の一部を指します。

〈プレバイオティクス食品〉

オリゴ糖を多く含む食品……玉ねぎ、キャベツなど
不溶性食物繊維を多く含む食品……果物、きのこ類、豆類、とうもろこしなど
水溶性食物繊維を多く含む食品……大麦、海藻など

食物繊維とは、ヒトの消化酵素で消化されない、食べもののなかにある難消化性の成分のこと。腸の腐敗物質の排出を促す掃除役で、善玉菌の働きを高めてくれます。

水に溶ける水溶性と、溶けない不溶性の2種類がありますが、どちらかにかたよることなく両方とも摂る必要があります。

投稿者プロフィール

西嶌 暁生
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医。株式会社ZAI 代表取締役社長

2013年より筑波大学の形成外科で、創傷治癒、外傷、再建、美容外科及び美容皮膚科を専門とする臨床医として従事。その後、「恵比寿形成外科・美容クリニック」の副院長を経て、2023年7月に「恵比寿こもれびクリニック」を開院。肌細胞の再生をキーワードに、美と健康のパーソナルドクターとしてオーダーメイド医療を提供している。

【資格】:医師、医学博士、形成外科専門医、認定産業医、MBA、JDLA認定E資格
【専門】:形成外科、美容外科、きず跡修正、医療レーザー(シミ、シワ、たるみ)、目周りの手術、フェイスリフト、脂肪吸引、メンズ美容、医療AI

《著書》
だから夫は35歳で嫌われる メンズスキンケアのススメ 光文社
「無駄なケアをやめる」から始める美肌スキンケアの新常識大全 宝島社

《メディア》
夕刊フジ「50歳からでも遅くはない 誰でもできる男のアンチエイジング術」毎週月曜日に連載中
オレンジページ、美的、女性セブン、CanCam等
フジテレビ「ポップUP!」出演
bayfm「MOTIVE!」出演

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