インナーケア・腸活のススメ(2)腸を元気にするのは善玉菌

腸を元気にするのは善玉菌

こんにちは、医師の西嶌暁生です。

人生100年時代と呼ばれる社会の中で、「笑顔で自分らしく、活き活きと自立して生きる」ために不可欠な「健康」。時間・労力・コストをかけることなく、在宅でも手軽に始められる「健康・美容増進のコツ」を毎週金曜日にお伝えします。

本日は、インナーケアに必要な「腸活」の第2回として、体調から肌の状態まで、体のさまざまな状態に影響をおよぼす腸内細菌についてお伝えしたいと思います。

腸を元気にするのは善玉菌

私たちの腸には、種類にして3万種、数にしてなんと100兆個以上もの細菌が存在します。

この腸内細菌叢(腸内フローラ)のありようこそが、体調から肌の状態まで、体のさまざまな状態に影響をおよぼしているのです。

人間にとってよい働きをするのが「善玉菌」、害をなすのが「悪玉菌」、どちらともつかないのが「日和見菌」。腸内細菌はこの3種に分類され、腸内環境はこの3つのバランスの状態を表します。

人間にとってよい働きをするのが「善玉菌」、害をなすのが「悪玉菌」、どちらともつかないのが「日和見菌」

〝元気な腸〞とは、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が優勢な状態で、理想のバランスでいえば、善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1。

この状態なら排泄もスムーズで、代謝も上がりやすくなります。さらには免疫力も高まり、肌細胞も活性化します。

ところが、食生活のかたよりや服薬の影響、過度なストレスなどさまざまな原因で善玉菌が減ると、悪玉菌や日和見菌が増えてバランスが崩れ、腸内環境が悪化してしまいます。

悪玉菌は有害物質をつくって腸内の腐敗を進行させるので、その結果、便秘や下痢をしやすくなるのですね。

たとえば、便秘がちになると腸内で腐敗物質が発生し、腸粘膜から吸収され、それが血管を通して全身をめぐることで、皮膚トラブルなどさまざまな不調を引き起こします。

腸内環境を整えることが重要なファーストステップ

ですから、腸内環境を整えることこそが、健康にとっても美容にとっても重要なファーストステップ。

まずは、体内から老廃物や毒素など不要なものをしっかり排泄(デトックス)できるようにし、次に、善玉菌を育てて腸内環境を理想的なバランスへ整えましょう。

腸内環境を整えることが重要なファーストステップ

それができて初めて「足りない栄養素を足す」という次のステップへと進めるのです。

腸内細菌には無限の可能性が秘められている!?

近年、健常な人の大便から取り出した腸内細菌を、潰瘍性大腸炎やクローン病などの難病患者の大腸に注入し、崩れた細菌叢のバランスを取り戻そうという治療法「腸内フローラ移植(便移植)」が注目を浴びています。

現在は国内の大学病院などで臨床治験の段階ですが、将来的に研究が進めば、過度な緊張を防いだり体重を減らしたりといったシーンにも活用できるのではないか、と期待が寄せられています。

腸内細菌にはまだまだ、私たちの知らない無限の可能性が秘められているのかもしれません。

次回は、腸内環境を改善する排泄(デトックス)についてお伝えしていと思います。

投稿者プロフィール

西嶌 暁生
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医。株式会社ZAI 代表取締役社長

2013年より筑波大学の形成外科で、創傷治癒、外傷、再建、美容外科及び美容皮膚科を専門とする臨床医として従事。その後、「恵比寿形成外科・美容クリニック」の副院長を経て、2023年7月に「恵比寿こもれびクリニック」を開院。肌細胞の再生をキーワードに、美と健康のパーソナルドクターとしてオーダーメイド医療を提供している。

【資格】:医師、医学博士、形成外科専門医、認定産業医、MBA、JDLA認定E資格
【専門】:形成外科、美容外科、きず跡修正、医療レーザー(シミ、シワ、たるみ)、目周りの手術、フェイスリフト、脂肪吸引、メンズ美容、医療AI

《著書》
だから夫は35歳で嫌われる メンズスキンケアのススメ 光文社
「無駄なケアをやめる」から始める美肌スキンケアの新常識大全 宝島社

《メディア》
夕刊フジ「50歳からでも遅くはない 誰でもできる男のアンチエイジング術」毎週月曜日に連載中
オレンジページ、美的、女性セブン、CanCam等
フジテレビ「ポップUP!」出演
bayfm「MOTIVE!」出演

インナーケア・腸活のススメ(2)腸を元気にするのは善玉菌” に対して1件のコメントがあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です