宅飲みのルールを決めてアルコールとかしこく付き合おう② 〜酒と水は最高のバディ〜

宅飲みのルールを決めてアルコールとかしこく付き合おう② 〜酒と水は最高のバディ〜

こんにちは、医師の西嶌暁生です。

人生100年時代と呼ばれる社会の中で、「笑顔で自分らしく、活き活きと自立して生きる」ために不可欠な「健康」。時間・労力・コストをかけることなく、在宅でも手軽に始められる「健康・美容増進のコツ」を毎週金曜日にお伝えします。

今回は、前回に引き続き、自宅でお酒を“かしこく”飲む方法の第2弾をお送りします。

アルコールは体の水分を奪ってしまう

お酒を語る上で避けられないのが水の話です。

人間の身体の6~7割は水でできています。摂取した水のほとんどは小腸から吸収されるため、小腸の腸内環境は重要です。

また、食事も含めて1日の水分摂取量の目安は体重1㎏あたり0.04リットルとされ、体重60㎏の場合は2.4リットル、70㎏の場合は2.8リットルです(実際に飲む水の量としては、1日1.5~2.0リットル)。

しかし、アルコールは血管拡張作用があるため、腎臓の血流量が増えて、尿を増やす作用があります。

例えば、ビール1,000mlを飲むと、約1,200mlの尿が出るため、約200mlの水分を失うことになり、脱水が進行します。

脱水になると血液がドロドロになったり皮膚が乾燥したりと、健康と美容に大きなダメージを与えてしまいます。

お酒を飲んだ後は、コップ1~2杯の水を飲み、体に水分を補充させることが必要になります。

大量のアルコールは腸内環境を悪化させる

アルコールは胃で20%、小腸で80%が吸収され、肝臓に送られます。

お酒を飲み過ぎると小腸粘膜の働きが弱くなり、脂肪や水分、ナトリウムなどが吸収されにくくなります。

本来なら小腸で消化吸収されるべきものが吸収されずに大腸へ流れ込むので、お酒を飲んだ翌日は下痢をしやすくなる人も多いのではないでしょうか。

下痢をしやすくなる人も多い

おなかの弱い人は、飲む時は脂質や糖質が少なく、消化によいお酒やつまみを選択することが良いでしょう。

自宅に置いて、習慣的に大量のアルコールを飲んでいる人は、腸内フローラが乱れ腸内環境が悪化しやすく、免疫力の低下を招きやすいです。

またアルコールは肝臓のアルコール脱水素酵素(ADH)の働きでアセトアルデヒドという毒性物質になり、最終的には水と二酸化炭素となって排泄されます。

このアセトアルデヒドには発がん性があり、大腸癌のリスクも高くなりますので、過剰飲酒は避けましょう。

お酒を美味しく飲むための水のルール

自宅でお酒を飲む際に、ちゃんとチェイサーを用意していますか?

悪酔いや二日酔いをしないように、楽しくお酒をのむコツは水です。

(1)まず、お酒を飲む前にコップ一杯の水を飲む。

(2)水を飲んだあとに、お酒を飲み始める。

(3)お酒とチェイサーを一緒に少しずつ飲む。

(4)お酒をお変わりするときは、水も一緒にお変わりをする。

(5)寝る前にコップ1~2杯の水を飲む。

これらのポイントを実行して頂くことでアルコールによる脱水を防ぎながらお酒を楽しむことができます。

チェイサーに適した水の種類は?

チェイサーに適した水の種類は?

水と言っても様々な種類があり、大きく硬水と軟水に分けられます。

硬水はミネラル(マグネシウムとカルシウム)の含有率が多く、海外に多いですが、軟水はミネラルの含有率が低く、日本に多いです。

一般的に、カルシウムは蠕動運動を活発にして、免疫力の活性化や栄養素や水分の吸収促進に働き、マグネシウムは便を柔らかくすることで排便機能が高まるため、硬水の方が腸には良いとされています。

ワインなど硬水を使った洋酒のチェイサーには硬水を、日本酒など軟水を使ったお酒のチェイサーには軟水を合わせると、水同士の相性がよく美味しく飲めます。

これは食事にも当てはまり、例えば硬水で作られた食事には洋酒と硬水を合わせるとよいと言われています。

自宅用に自分でチェイサー用に水を購入する際は、天然のミネラルが補給できる「ナチュラルミネラルウォーター」と表記されている物を選びましょう。

アルカリ性のものならなおよいです。飲酒によっても活性酸素は発生するのですが、アルカリ性の水は活性酸素を抑える還元力を持っているからです。

水道水は塩素が含まれており、水の中では塩酸と次亜塩素酸として溶けており、弱い酸性です。酸性の水は殺菌作用があり、腸内細菌にとってはよくありません。

糖質ゼロやカロリーオフの実態

どうしても、“安くて手軽に酔える”ことから、コンビニの缶チューハイを自宅で愛飲している人は多いでしょう。

糖質ゼロやカロリーオフの実態

私も以前はよく飲んでおり、購入する際は、決まって「糖質ゼロ」を選択していました。しかし、店で飲むよりも悪酔いすることも多く、「糖質ゼロ」の割には、太りにくくなったと実感することもなかったです。

「糖質ゼロ」の飲料は、カロリーのない人工甘味料などを使用しているのですが、実は、この人工甘味料は脳の満足度を狂わせ、「もっと欲しい」という欲求を助長させしまうのです。

結果として飲酒の量が増えてしまいます。

さらに、味覚や脳の反応を鈍らせ、摂取量が積み重なると認知症につながる可能性があります。

また、国が定めている「食品表示基準」では、100mlの飲み物については、5キロカロリーまでは「カロリーゼロ」と表示でき、20キロカロリーまでは「カロリーオフ」「低カロリー」「カロリーライト」などと表示できるのです。

結局、たくさん飲んだり、食欲増進によりカロリー摂取が増えると、肥満につながっていくのです。

さいごに

「結局、それか」と言われそうですが、アルコールは適量の摂取が大事です。

NN型(お酒の強い人)のアルコールの上限は100gまで(ビール大瓶2本、日本酒2合)、ND型(お酒がほどほど飲める人)はビール中瓶1本、日本酒1合程度です。

ただし、時には羽目を外して飲みたい時もあるし、飲まずにはやっていられない時もあるでしょう。

時には羽目を外して飲みたい時もある

そんな時は、本日ご説明した

・お酒の種類

・お酒と水のルール

・チェイサー(水)の種類

を考えて、飲んで頂くと、悪酔いや二日酔いをしにくくなるはずです。

皆様、健康的に楽しめるような工夫をして、お酒との付き合い方を素敵なものにしていきましょう。

投稿者プロフィール

西嶌 暁生
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医。株式会社ZAI 代表取締役社長

2013年より筑波大学の形成外科で、創傷治癒、外傷、再建、美容外科及び美容皮膚科を専門とする臨床医として従事。その後、「恵比寿形成外科・美容クリニック」の副院長を経て、2023年7月に「恵比寿こもれびクリニック」を開院。肌細胞の再生をキーワードに、美と健康のパーソナルドクターとしてオーダーメイド医療を提供している。

【資格】:医師、医学博士、形成外科専門医、認定産業医、MBA、JDLA認定E資格
【専門】:形成外科、美容外科、きず跡修正、医療レーザー(シミ、シワ、たるみ)、目周りの手術、フェイスリフト、脂肪吸引、メンズ美容、医療AI

《著書》
だから夫は35歳で嫌われる メンズスキンケアのススメ 光文社
「無駄なケアをやめる」から始める美肌スキンケアの新常識大全 宝島社

《メディア》
夕刊フジ「50歳からでも遅くはない 誰でもできる男のアンチエイジング術」毎週月曜日に連載中
オレンジページ、美的、女性セブン、CanCam等
フジテレビ「ポップUP!」出演
bayfm「MOTIVE!」出演

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