宅飲みのルールを決めてアルコールとかしこく付き合おう① 〜健康にとってオススメのお酒の種類〜

宅飲みのルールを決めてアルコールとかしこく付き合おう① 〜健康にとってオススメのお酒の種類〜

こんにちは、医師の西嶌暁生です。

人生100年時代と呼ばれる社会の中で、「笑顔で自分らしく、活き活きと自立して生きる」ために不可欠な「健康」。時間・労力・コストをかけることなく、在宅でも手軽に始められる「健康・美容増進のコツ」を毎週金曜日にお伝えします。

12月から1月にかけては、忘年会や年会だけでなく、正月などは自宅でもお酒を飲む機会が増えるシーズンでないでしょうか。

ただ、健康を意識するあまり、お酒を我慢して逆にストレスが溜まり不健康になっては本末転倒です。

今回は、お酒の種類、水(チェイサー)、ルールなどに注目して、自宅でお酒を“かしこく”飲む方法を2部に分けてお伝えします。

アルコールの吸収は小腸、分解は肝臓

アルコールは胃で20%、小腸で80%が吸収され、肝臓に送られます。

アルコールは肝臓のアルコール脱水素酵素(ADH)の働きでアセトアルデヒドという毒性物質になった後、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸となり、最終的には水と二酸化炭素となって排泄されます。

お酒が弱いか強いかは、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって決まっている

実は、悪酔いや二日酔いは、アセトアルデヒドが速やかに分解されないために起きます。

悪酔いや二日酔いは、アセトアルデヒドが速やかに分解されないために起きます

ALDHの一種であるALDH2をつくる遺伝子に欠損があるかどうかが、お酒に弱いか強いかを決めています。

ALDH2が正常に働き、アセトアルデヒドを分解する能力が高い遺伝子がN型、アセトアルデヒドを分解できない欠損したALDH2を持つ遺伝子はD型です。

そして、ひとの遺伝子は両親から1つずつ受け継がれるので、NN型、ND型、DD型の3種類が存在します。

お酒が弱いか強いかは、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって決まっている

まずは自分の体質を把握しよう!

まずは、アルコールに対する自分の体質を把握する必要があります。

NN型 アセトアルデヒドの分解能力がとても高い人(お酒に強い人)
ND型 ある程度お酒は飲めるけど、すぐに顔に出る人
DD型 アセトアルデヒドの分解能力がかなり低い人(お酒に弱い人)

 

日本人の場合、NN型50%、ND型40%、DD型10%と言われています。

また、国内では、北海道、東北、九州、沖縄などにNN型が多く、関東、中部、近畿などはD型をもつ人が多く分布します。

ちなみに、「練習してお酒を飲めるようになる」は間違いです。

仮に、お酒に強くなった自覚がある場合は、

①先天的にNN型だったが本人が気づいていなかった

②ND型でお酒が好きになった

のいずれかです。自分の遺伝子型を正確に知りたい人は、唾液や口腔粘膜の検査で調べることができますが、自分やよく一緒に飲む周りの人が何型かは、だいたい予想できるのではないでしょうか。ちなみに私は検査した結果、NN型でした・・・!

これらの型に合わせた飲み方は大切です。

例えばND型の人が、NN型の人のペースに合わせて飲めば飲み過ぎや二日酔いになりやすく、DD型やND型の人は空腹時に飲まない、度数の高い物は薄める、チェイサーと交互に飲む、などアセトアルデヒドをためない飲み方を意識すると良いです。

お酒には5つの効用がある!

お酒には適度に飲めば、健康に貢献する5つの効用があると言われています。

(1)アルコールが体内に入ると、胃と腸の蠕動運動が始まり、その刺激により空腹感が増して、食欲が増進する。

例えば、フランスでは、「アペリティフ」と呼ばれる食前に酒を飲む習慣があります。


(2)血管が拡張されて血液の流れが良くなる。血行がよくと体の疲労を回復してくれる。


(3)脳の抑制が一時的にゆるみ、平常時よりも陽気になって元気になる。


(4)万病のもとであるストレスが緩和される。

事実、お酒が飲める人(NN型の人)が意にそぐわずに断酒すると、かえってストレスがたまり、腸内環境が悪化する例があります。


(5)血流を促し動脈硬化などを予防するHDLコレステロールを増やして、血栓症を予防する。


ただし、これは「適量」に限った話です。在宅で質の悪いアルコールを大量に飲んでも健康には繋がりませんので、注意して下さいね。

身体に優しいお酒の種類は?

お酒は大きく、醸造酒と蒸留酒に分けられます。

醸造酒は穀物や果物を酵母でアルコール発酵させたもので基本的に糖質を含みます。ビール、日本酒、ワインなどが醸造酒にあたります。

ビール

蒸留酒は醸造酒を蒸留して作った酒であり、糖質を含みません。焼酎、泡盛、ウイスキーなどが蒸留酒にあたります。

ウイスキー

蒸留酒の方が、血糖値を上げにくい性質があるため、「飲みすぎない」という前提において、蒸留酒の方が体によいと言えるでしょう。

ただし、ポリフェノールをたくさん含んだ辛口の赤ワインもお勧めです。

赤ワイン

ポリフェノールは抗酸化作用を持っている上、ポリフェノールの一種である「プロシアニジン類」を摂取すると、腸内の善玉菌が増えます。

さらに、腸内細菌の「アッカーマンシア菌」に働きかけ、腸管のバリア機能を向上させ、脂質代謝異常や糖尿病の予防にもなります。

また、日本酒にはグルタミンやアルギニンなどの「アミノ酸」を多く含むため、保湿効果もあり、美肌につながることがあります。

日本酒

ただし、甘口の日本酒は辛口に比べて血糖値を上げやすいので注意が必要です。

<低糖質で血糖値を上げにくいお酒>

・蒸留酒
・日本酒やワインの辛口

<体によい成分が含まれているお酒>

・赤ワイン
・日本酒

さいごに

自宅でお酒を飲むことでストレス解消をしている人もいると思います。それは決して悪いことではなく、むしろ大切な習慣です。

ですから、自宅にいる時ぐらい自分の飲みたい種類のお酒を選択したらよいと思います。

ただし、自分の体質や適量を理解してお酒と付き合うことは重要です。

そして、健康との相性を考えながらお酒を選択することも楽しみの一つとして下さい。

投稿者プロフィール

西嶌 暁生
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医。株式会社ZAI 代表取締役社長

2013年より筑波大学の形成外科で、創傷治癒、外傷、再建、美容外科及び美容皮膚科を専門とする臨床医として従事。その後、「恵比寿形成外科・美容クリニック」の副院長を経て、2023年7月に「恵比寿こもれびクリニック」を開院。肌細胞の再生をキーワードに、美と健康のパーソナルドクターとしてオーダーメイド医療を提供している。

【資格】:医師、医学博士、形成外科専門医、認定産業医、MBA、JDLA認定E資格
【専門】:形成外科、美容外科、きず跡修正、医療レーザー(シミ、シワ、たるみ)、目周りの手術、フェイスリフト、脂肪吸引、メンズ美容、医療AI

《著書》
だから夫は35歳で嫌われる メンズスキンケアのススメ 光文社
「無駄なケアをやめる」から始める美肌スキンケアの新常識大全 宝島社

《メディア》
夕刊フジ「50歳からでも遅くはない 誰でもできる男のアンチエイジング術」毎週月曜日に連載中
オレンジページ、美的、女性セブン、CanCam等
フジテレビ「ポップUP!」出演
bayfm「MOTIVE!」出演

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